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なぜ沖縄の家はコンクリート住宅が多いのか?

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「沖縄の民家」と聞いてどのようなイメージが湧きますか?
開放的なつくり、赤瓦の屋根に鎮座するシーサー、木材の柱、琉球畳、そして石垣……。
このような感じの古来の琉球文化が根付いた情緒豊かな古民家を想像する方が多いでしょう。

ですがそれは必ずしも正確ではありません。
忍者漫画を読んだ外国人が「日本の家ってみんな忍者屋敷みたいなからくり屋敷なんでしょ?」と勘違いするように、我々が沖縄の民家に対して抱いているイメージもやや大雑把なものになっています。

実は沖縄の住宅は、そのほとんど——9割以上が、打ちっぱなしコンクリート製の家なのです。

なぜ沖縄では打ちっ放しコンクリートの家が大多数なのか?

沖縄本島の那覇空港に降り立ち、市内の首里駅へと向かうゆいレール(沖縄都市モノレール線)に乗って窓から街の様子を見下ろすと、見渡す限りの打ちっ放しコンクリートの住宅群が視界を埋め尽くします。

屋上のある白いコンクリート造りの無骨な外観は見るからに頑丈そうですが、ぱっと見の緑の少なさもあいまって異国にでもいるかのような錯覚を引き起こすほど。

誰しも一度は疑問に思うでしょう。
なぜこんなに鉄筋コンクリート住宅が多いのか?

沖縄の家がコンクリートである理由

台風対策

コンクリートの特徴とは何か?
頑丈。それに尽きます。
頑丈だから沖縄の人たちはコンクリートの家に住むのです。

沖縄は台風の通過地にあり、毎年数多くの台風が訪れ甚大な被害を及ぼします。
その災害の強烈さは「最大瞬間風速70〜80メートル」という人知を超越した風速ひとつとっても明らかです。
ちなみに風速40メートルで身体を前方45度に傾けないと後ろに倒れ、風速50メートルで樹木は根こそぎ倒れ大抵の木造家屋が倒壊の危機に直面し、風速60メートルでは鉄塔が曲がることがあり、風速70メートルでは4トントラックが横倒しになります。

4トントラックがなぎ倒されるくらいの超暴風ですので木造建築では耐えられません。
そういうわけでコンクリート住宅が好まれています。

シロアリ対策

木造家屋などに棲みつき木材を食い荒らす害虫であるシロアリは、熱帯に種数が多いこともあり沖縄では特にその被害が顕著です。鹿児島以南には日本最大のシロアリであるオオシロアリが多く生息しています。
シロアリ駆除や防虫には莫大な手間と費用がかかるので、シロアリ被害の出にくいコンクリート製の家の人気が高いようです。

その他のメリット

コンクリートの性質から、鉄筋コンクリート住宅は防音効果や耐火性に優れます。
何より、従来的な伝統建築よりも安く建てられます。
塩を含んだ海からの風が極めて多い風土から、鉄(鋼材)で組まれた住宅などは塩害による腐食が進行しやすく早々にサビてしまいますが、コンクリートならその心配もありません。
もちろんコンクリートならではのデメリットもありますが、こうしたメリットがそれらを上回るので沖縄ではコンクリート住宅が一般化しているわけです。

コンクリート住宅のデメリット

コンクリートは熱伝導率が高いため、外気の気温が室内にモロに伝わります。夏は暑く冬は寒い家になります。
結露が起こりやすい、カビが発生しやすい、汚れが目立ちやすいといった欠点もあります。
どれも可能なら避けたい項目ばかりですが、自然の脅威に晒される過酷な地では「安全」のために我慢するしかないということでしょう。

沖縄でコンクリートの家が普及した経緯

第二次世界大戦後、沖縄はアメリカにより占領されていました。
占領下における沖縄では、アメリカ軍兵士の住居を含むアメリカ人向けの建物が多く建てられました。
それらは鉄筋コンクリート造(RC造)が主だったため、その影響を受け一般の沖縄市民の住宅もRC造のものが増えていき、後に台風の時などに(在来的な木造住宅と比較して)鉄筋コンクリート建築物の優位性が明確になり
、RC造の住宅が一気に普及していった、という時代背景があります。

コンクリートの家が増えた沖縄の現在

長い間、苛烈な台風の被害を受けてきた沖縄ですが、丈夫なコンクリート住宅が一般化したことにより昔年の被災ぶりはなりを潜めました。
夏に沖縄に旅行で行かれる際は、コンクリート造りの家を見て、厳しい自然の中でたくましく生き抜く沖縄人の方々の適応力を垣間見てください。

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