雑記

「1日の終わりに反省するな」は最高の名言だ

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現代でも絶大な人気を誇る哲学者ニーチェの言葉に「1日の終わりに反省するな」というものがあります。
一見すると無鉄砲な言葉に思えますが、この言葉の意味はとても実践的です。

ぼくがこの言葉の意味を体感できたのは、ブラック企業時代、疲れ切って帰ってきた夜遅くのことでした。

疲弊して、けれど寝付けなかった夜

ある日の夜更け。
時計の針はすでに午前1時を過ぎた後。
疲れた体で、猛烈に混んだ満員電車に数十分耐え、ほうほうの体で暗く静かな家にたどり着いた時、朝に家を出てから18時間が経過していました。

18時で業務は終了したはずなのに、上層部の命令により帰宅することは許されず、無給で6時間を働かされる月曜日。

夕ご飯を食べる暇もなく、シャワーを浴び歯磨きだけして布団に入りました。

眠いけれど、疲れ切ったはずなのに、暗い部屋の中に浮かび上がるのは一から十まで仕事のことです。

これまでも、そして明日からも同じように続くサービス残業の日々。
人に仕事を押し付けて定時で上がる同僚。
根性論で「甘えるな」と無給労働を強いる上司。
こちらの事情を考慮せずゴリ押ししてくるクライアント。

でも、もしかしたらぼくが上手くやれなかっただけなのかもしれない。
もう少し根性があればやりきれたのかもしれない。
もう少し心が広ければ衝突しなかったのかもしれない。
もう少しスキルが高ければどうにかなったのかもしれない。

早く眠らなければいけないのに、その日の(主にマイナス面の)出来事が次々とフラッシュバックします。
自分を責めることもあれば、誰かがさっさと明日にでも辞職してくれないかないやむしろ会社消失してくれないかなと祈ることも。
「株」「FX」「宝くじ」というドリームワードが現れては消えず脳内を衛星軌道でぐるぐると回って思い切った行動をしてしまいそう。

あああもうどうすればいいんだ!
どうすればよかったんだ!!
もっとひどくなったらどうしよう!!!

未来の明るい展望など一瞬たりとも見えず、ただ過去と現在の暗く重い憤る状況だけがフラッシュバックする毎晩。
当時は、横になった時間の半分しか眠れませんでした。
いつも重荷が肩にのしかかり、胸がキリキリと痛むような。今思い出しても苦悩の表情を隠しきれない日々でした。

本屋で出会った救いの一冊

そんな、仕事に追われていた時期のことです。
ある日30分ほどヒマな時間ができたので、近くの書店に入ってみました。
特に読みたい本があるわけではないですし、そもそも読める時間がないですし、というか読めるような精神状況ではないので、学生時代によくふらりと本屋に立ち寄った「習性」による行動でした。

なんとなく本棚を見て回っていたら、ラックに面出しされていた『超訳 ニーチェの言葉』という本が目に入りました。

「ああ、そういえば流行っていたな」と思い、なんとなく手にとってパラパラとページをめくってみました。
すると、こんな文章が目に飛び込んできたのです。

仕事を終えて、じっくりと反省する。
一日が終わって、その一日を振り返って反省する。
すると、自分や他人のアラが目について、ついには鬱になる。
自分の駄目さにも怒りを感じ、あいつは憎たらしいと思ったりする。
大抵は、不快で暗い結果にたどりつく。

(中略)

疲れ切った時にする反省など、すべて鬱への落とし穴でしかない。
疲れている時は、反省をしたり、振り返ったり、ましてや日記など書くべきではない。

(中略)

活発に活動している時、何かに夢中になって打ち込んでいる時、楽しんでいる時、反省したり振り返って考えたりはしない。
だから、自分を駄目だと思ったり人に対して憎しみを覚えたりした時は、疲れている証拠だ。
そういう時はさっさと自分を休ませなければいけない。
フリードリヒ・ニーチェ『曙光』

「うお……」
思わずつぶやきが口から出ました。
まさにその時のぼくには必要なアドバイスでした。

当時、どう手を尽くしても改善しない労働環境の日々に、疲労困憊して帰ってきて、眠ろうとするときにその日一日を反省してしまっていました。
どうにもならない状況なので、解決策なんて出るわけがありません。
結果として、自らを苦しめるだけの夜を繰り返すだけでした。

でも、そうなんですね。
疲れてる時は反省しちゃいけないんですね。
悪い考えしか出てきませんから。

冷静に考えてみると当たり前のことです。
先のニーチェの言葉は、当然のことを言ってるだけです。

でも、本当に追い詰められている時は「当たり前」のことすら見えなくなります。

実際、これを読んで初めてぼくは「当たり前のことすらできていなかったんだ」という自分の状況に気づき、愕然としました。

「これだ!」と確信しとりあえず興奮したままレジに走って『超訳 ニーチェの言葉』を購入しました。

一日の終わりに反省しなくなってから

その後、ぼくは寝る前にその日を振り返って反省することを止めました。
やったのはそれだけです。

とりあえず睡眠時間が増えました。
当たり前ですね。

睡眠時間が増えたので、徐々に健康になりました。
まあ当然ですね。

体力が戻ってきたので、仕事以外の時間や休日にいろいろできるようになりました。
そうして様々なスキルを高め副業を試していくうちに新しい道が拓けており、気づいたらそのブラック企業を辞めることが可能になっていました。

その時になって思いました。
「反省に時間を使いすぎるより、より良い未来に向けて少しでも行動した方が、良い結果になるんだな」。
これも……至極当たり前のこと、ですね。
でも、寝る前の反省癖に悩まされていた時は、カケラも思い浮かばなかったことでした。

まとめ

疲れた一日の終わりに、その日のことをずっと反省していませんか?
憤りを感じて、自分や周囲に嫌気がさして、まだ起こってもいない未来のことに極度に不安を覚えたりしていませんか?

もう、その日に起こったことは過去のことです。
いまさら変えようがない事実です。
どう頑張っても、どう考えても覆りません。

とりあえずぐっすり眠りましょう。
ゆっくり休みましょう。
何も考えず寝ましょう。

そして朝、目が覚めたら、未来のことを考えましょう。
現状を改善する方法を。
改善できないなら、現状から脱出する方法を。

自縄自縛する毎夜とは決別すべきです。
何の効果も生み出しません。
どこにも進めません。

一日の終わりには反省せず、ただ深く眠り、望む未来への英気を蓄えましょう。

-雑記

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